海外安全対策情報(2019年 10月~12月)

令和2年5月8日

1. カンボジア国内の犯罪傾向

 カンボジアでは,都市部や観光地を中心に,ひったくり,置き引き,スリ,いかさま賭博などの一般犯罪が多発するとともに,銃火器やナイフを使用した強盗などの凶悪犯罪が発生しています。
 カンボジア内務省の発表によれば,発生件数は昨年同時期と比較して同水準にありますが,統計に含まれていない件数も多数あり,実際の犯罪発生件数はこれよりも多いものと考えられますので,引き続きご注意ください。
 カンボジアに渡航される方,すでに滞在中の方は,事前と滞在中の情報収集を心がけ,しっかりとした安全対策を取ってください。
罪 種 10月 11月 12月 合計
殺   人 23 件 13 件 13 件 49 件
強   盗 11 件 9 件 20 件 40 件
強 制 性 交 26 件 20 件 20 件 66 件
ひったくり 17 件 22 件 32 件 71 件
窃   盗 119 件 109 件 100 件 328 件
詐   欺 等 7 件 10 件 9 件 26 件
傷   害 83 件 66 件 60 件 209 件
わ い せ つ 5 件 8 件 2 件 15 件
身代金目的監禁 0 件 1 件 0 件 1 件
上記以外の監禁 6 件 8 件 7 件 21 件
                        【参考:カンボジア国内の犯罪発生状況2019年10月~12月(カンボジア国家警察統計)】

 
銃火器を使用した犯罪
 カンボジア国内では,犯人が銃火器を所持していることが多くあります。10月から12月にかけて銃火器を用いた犯罪が7件発生しました。
 
誘 拐 事 件
 10月から12月にかけて22件の監禁事件が発生しましたが,日本人を対象としたものはありません。
 
爆 弾 事 件 ・ テ ロ
 10月から12月にかけて,爆弾事件及びテロはありませんでした。
  (参考)2019年2月にタイとの国境の街ポイペトのカジノに時限爆弾が設置され,当局により処理された事案が発生しています。
 

2. 日本人が被害者となった犯罪

  特にプノンペンにおいて,観光客や在留邦人など多くの日本の方が被害に遭っており,十分な警戒が必要です。10月から12月にかけての発生した日本人の主な犯罪被害は以下のとおりです。
 
地域別犯罪発生状況(2019年10月~12月) ※大使館・領事事務所が認知した件数
  プノンペン シェムリアップ シアヌークビル
ひったくり 15 件 0 件 0 件
ひったくりを除く窃盗 7 件 0 件 0 件
「いかさま賭博」詐欺 1 件 0 件 0 件
空き巣 1 件 0 件 0 件
強盗 1 件 0 件 0 件
こん睡強盗 1 件 0 件 1 件
 
過去の犯罪被害や事故の傾向を含む『犯罪被害事例と対策』は,以下のページでご覧いただけます。
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000090.html
 

 
ひったくり,その他の窃盗
 日本人の犯罪被害の大部分がひったくりを含む窃盗です。10月から12月の3か月で,22件の窃盗被害(大使館・領事事務所認知分のみ)が発生しました。
 12月には都市間長距離バスの移動中にカバンやカバンの中身が持ち去られる事案が複数発生しています。また,ひったくり被害のうち,3名が怪我を負いました。
 パスポートや現金を盗まれた場合,新たなパスポートの取得や出国ビザの申請に日数がかかるなど,その後の旅行や滞在に重大な支障が生じる可能性もありますので,十分な安全対策を取ってください。
 
日本人が被害者となった窃盗被害件数(2019年10月~12月) ※大使館・領事事務所が認知した件数
ひったくり   その他の窃盗
10月 11月 12月 合計 10月 11月 12月 合計
8 件 2 件 5 件 15 件 2 件 2 件 2 件 7 件
  
     ◆ ひったくりの事例と対策
     ◆ 窃盗やスリの事例と対策

 
「 い か さ ま 賭 博 」 詐 欺
 トランプカードを用いた「いかさま賭博」詐欺が10月から12月にかけて1件発生しました。
 この詐欺の被害者となった場合,被害額が100万円を超えることもありますが,その手口はパターン化されたものが多く,その流れを知っていれば,確実に避けることができる犯罪ですので,必ず以下のリンクのページに目を通すようにして下さい。
     ◆ 「いかさま賭博」の手口の詳細

 
強      盗
 プノンペンにおいて,1件の強盗被害が発生しました。夜間,繁華街のレストランの近くでナイフを突きつけられて貴重品を強奪された事件です。
 強盗は昼間でも発生することがありますので,人気のない場所と観光地を問わず,また昼間と夜間を問わず,常に周囲を警戒することが必要です。
 また,プノンペン及びシアヌークビルでは,知り合って間もない人と飲酒をしているうちに薬物を混入されるこん睡強盗と思われる事案が2件発生しました。

(参考)こん睡強盗は,プノンペン,シェムリアップ,シアヌークビルなどの観光地で多く発生しています。知り合ったばかりの相手をすぐに信用して警戒を緩めることは危険ですので,ご注意ください。

     ◆ 強盗の事例と対策

 

3. 日本企業の安全に関わる諸問題

 現在のところ,日本企業の安全について特段の問題があるとの情報には接していません。

 

4. 対日感情

 カンボジア国民の対日感情は概して良好であり,特段の反日感情は見当たりません。ただし,日本人は裕福と思われているため,意図的に狙われる可能性もありますので,注意は必要です。

 
 被害に遭われた際には,在カンボジア日本国大使館または在シェムリアップ日本国領事事務所にご報告をお願いします。
 ご報告いただいた情報は,在留邦人や渡航者の方のさらなる被害を防ぐための貴重な参考情報となりますので,軽微な被害であっても,メールなどでご報告ください。
 
◆ 『在カンボジア日本国大使館』  TEL:023-217-161  
                      consular.jpn@pp.mofa.go.jp  
◆ 『在シェムリアップ日本国領事事務所』  TEL:063-963-801     
                      consuljp.rep@re.mofa.go.jp
 
【ご報告いただく際の記載事項】
 ~被害の概要~
・場所(都市名のほかに,地区名や通りの名称など,場所がわかる情報もご記載ください)
・日時(時間もお知らせください)
・被害に遭った時の状況(加害者の風貌や様子もご記載ください
・被害物品
~被害を受けた方の情報~
 (以下の情報は任意ですが,個人情報を公開することはありませんので,可能な限りご報告下さい)
・お名前
・カンボジアの滞在形態(在留邦人,出張者,旅行者など) 
・パスポート番号
・生年月日
・連絡先