犯罪被害事例と対策

2019/10/16

1. 安全対策の基本事項

1.1. 意識を海外モードに切り替える

 海外は日本と比較して危険が多くあります。日本と同じ意識では犯罪や事故の被害者となる可能性が高まりますので,意識を海外モードに切り替えることが何よりも重要です。また,周辺国と比較しても,カンボジアではより多くの犯罪が発生しています。ちょっとした気の緩みや情報収集不足が原因で,日本人の方が多数被害に遭っています。
 また,在留邦人の方の場合,滞在初期には注意していても,次第に意識が薄れ,安全対策を怠ることにより犯罪や事故に巻き込まれるケースもありますので,海外にいることを常に忘れないことが大切です。
 海外においては,「自分の身は自分で守る」という意識をもって,情報収集と安全対策に努めるようにしてください。

1.2. 事前の準備

 短期渡航者の方は外務省旅行登録「たびレジ」,3か月以上滞在予定の方は「在留届」(旅券法第16条により義務付けられています)の提出をお願いします。外務省や在外公館から安全対策や事件・事故などについての重要なお知らせを受け取ることができます。また,大規模災害時などには,この登録情報をもとに安否確認を行いますので,自分を守るためにも必ず登録してください。
 その他にも,外務省は皆様の安全対策に役立つ各種情報を提供していますので,外務省ホームページ,大使館ホームページに必ず目を通すようにしてください。その他,現地メディア,日本の旅行会社などが提供する安全に関する情報なども参考になります。
 また,事件・事故に巻き込まれた際に,怪我をすることもありますが,海外においては医療費が日本とは比較にならないほど高額になることがあります。また,支払い能力が無いと判断された場合,重症であっても治療を受けることができない場合があります。「海外旅行保険」には必ず加入するようにしてください。

1.3. 被害を最小限に抑える

 パスポート,現金,クレジットカード,携帯電話などを同じ場所(バックなど)に収納していると,そのバッグを盗られた場合には,すべてを失うこととなり,その後の旅行や滞在に大きな支障が生じることとなります。
 また,犯人を追いかけたり,アジトを探したりすることは,反撃されて負傷するなど,二次被害の可能性もあり,大変危険です。さらに,犯人は銃火器やナイフを持っていることもあり,犯罪被害に遭った際に抵抗することも危険です。身の安全が第一であるということを忘れずに,冷静に行動することを心がけてください。

1.4. 被害に遭った場合

 犯罪被害にあった場合や事故に巻き込まれた場合には,まず警察に連絡し,その後大使館・領事事務所にご報告ください。
カンボジア警察は英語が通じない場合がしばしばあります。その場合には,通訳を雇用した上で警察に連絡し,被害届を提出し,ポリスレポートを受け取るようにして下さい。(海外旅行保険によっては,通訳費用も補償されるようです。あらかじめ確認しておきましょう)。通訳に心当たりがない場合,大使館・領事事務所から通訳業者の情報を提供いたしますので,ご連絡ください。
 パスポートを盗まれたり,紛失した場合の手続きについては,以下のページをご参照ください。
     https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000031.html

2. 日本人の犯罪・事故被害などの傾向 (2018年1月~2019年9月)

 2018年1月から2019年9月までに大使館に届け出のあった犯罪や事故の被害報告のうち,約半数をひったくりの被害が占めています。スリや置き引きを含む窃盗を加えれば,これら経済犯罪は全犯罪被害の6割を超えます。
 また,「いかさま賭博」詐欺被害も15件発生しました。
大使館・領事事務所への事件・事故被害などの報告件数
(2018年1月~2019年9月)
ひったくり 87件
窃盗 *1 33件
疾病(死亡を含む) 25件
いかさま賭博 15件
困窮 11件
空き巣・忍び込み 7件
強盗 7件
詐欺 *2 6件
交通事故 3件
暴行 2件
水上事故 1件
*1 置き引き,スリを含む。ひったくりを除く。
*2 いかさま賭博を除く。

 いずれの犯罪も,被害の品や金額によっては今後の旅行や滞在に大きな影響を与えるものですが,ちょっとした対策で防ぐことができる被害ですので,4ページ以降の「被害事例とその対策」を参考に,被害に遭わないようにして下さい。

 強盗は7件発生しました。抵抗をした場合には命に係わる怪我に至る可能性もあります。スマートフォンなどの所持品も大事ではありますが,重度の怪我を負ったり,命を落としたりするようなこととなれば,取り返しがつきません。身体の安全を第一に行動することが何より重要です。

 日本人が当事者となった事故の件数はそれほど多くありませんが,利用する乗り物での事故の発生で命を落とす例として,長距離バスやボートなどがあります。定員を超過して利用者を乗せたり,整備を怠っていたり,救命胴衣の設置数などの安全基準を守っていなかったりする場合がありますので,利用する際には,事前にしっかりと確認して利用するようにしましょう。
 
在カンボジア日本国大使館及び在シェムリアップ日本国領事事務所が認知した件数
 疾病の報告は25件ありました。カンボジアでは熱帯特有の病気などに罹ることもあります。保険に加入していない場合,高額な治療を受けることも困難になりますので,海外旅行保険には必ず加入するようにして下さい。また,マラソン大会に参加し,倒れて亡くなられる事案も複数件発生しています。カンボジアは熱帯モンスーン気候に属し,高温多湿なため,想像以上の体力の消耗があります。体力を過信せず,マラソンやそのほかの運動を行う前に,水分補給を含め,しっかりとした準備を怠らないようにして下さい。アンコールワットなどの屋外の観光時には熱中症になる場合もありますので,雨季と乾季を問わず,水分補給などの熱中症対策は不可欠です。


 窃盗被害や疾病を原因とするものも含め,困窮事例は11件ありました。海外旅行保険未加入であったり,油断から全ての所持品を盗まれたりして,困窮化したものもあります。一度困窮化すると,帰国も容易ではなくなります。
「犯罪事例とその対策」をお読みいただき,海外渡航の際にはしっかりとした準備と対策をとるようにして下さい。




 カンボジアで日本人が被害者となることが最も多い犯罪はひったくりです。大使館及び領事事務所で認知した2018年1月から2019年9月にかけての87件の被害のうち,84件がプノンペンで発生しています。
 発生時間帯は以下のとおりですので,安全対策の参考としてください。
*発生時間が不明な被害は除く

 

3. 被害事例とその対策

 


I ひったくり

事例 1 【概要】スマートフォンを路上で操作していた時に,二人乗りバイクが追い越しざまにスマートフォンをひったくって逃走した。
【対策】スマートフォン(特にアイフォン)は高額で転売できるため,狙われやすくなります。可能な限り路上でスマートフォンを操作しないようにしてください。
地図などはあらかじめ印刷するなどの対策をとってください。やむを得ず外出先などで操作せざるを得ないときは,道路に背を向け,道路から離れて,隠すように操作するなど,十分に気をつけてください。
 また,トゥクトゥク乗車中であっても,バイクに乗った犯人が追い越しざまに車内まで手を伸ばし,ひったくるケースもあります。
事例 2 【概要】プノンペンのリバーサイドを観光中,ズボンの後ろポケットに入れていた携帯電話と財布を複数の男にひったくられた。追いかけようとしたが,持ち去った男の仲間たちに邪魔をされて,捕まえることはできなかった。
【対策】後ろポケットからはみ出す形で携帯電話や財布を持つことは日本では珍しくありませんが,カンボジアではひったくり犯のターゲットになります。はみ出していなくても,形で判断できれば,ポケットに中に手を差し込んでくることもあります。貴重品は取り出しにくい前ポケットに入れるなどの対策も必要です。
 また,犯人を追いかけることは大変危険です。ナイフや銃火器を所持している場合もありますので,身の安全を第一に考えて行動するようにしてください。
事例 3 【概要】徒歩で移動中,バイクの男が突っ込んできたため,驚いて立ちすくんだうちに,手に持っていたカバンをひったくられ,パスポートや多額の現金を盗まれた。
【対策】手に持ったビジネスカバンは,貴重品が入っていることが多く,またひったくることも容易なため,ひったくり犯の主なターゲットとなります。荷物がある時は,できるだけタクシーを利用するようにしましょう。徒歩で移動する際には,荷物を持たず,手ぶらで移動することも安全対策としては重要です。
 また,貴重品を一か所にまとめることは非常にリスクが高いため,避けるようにしてください。現金も複数の箇所に小分けにして所持するようにしてください。
事例 4 【概要】ショルダーバッグをたすき掛けにしてバイクに乗車していた際に,後方から来たバイクの男に肩紐部分を強く引っ張られ,転倒して腕を骨折した。
【対策】たすき掛けにしたバッグや,背中にしっかり背負ったカバンなどをひったくり犯が強引にひったくろうし,カバンなどの紐が切れなかった場合には,そのままひきずられて怪我をする場合があります。また,トゥクトゥク,特にバイクタクシーなどに乗車中の場合には,転落させられたり,引きずられたりして重傷を負うケースが度々発生しています。
 たすき掛けにバッグを持つことは盗難に遭う可能性を減らしますが,怪我をするリスクを増加させますので,荷物を持つときは,できるだけタクシーで移動することをお勧めします
※ カンボジアの運転マナーは劣悪であり,事故も頻発しています。交通事故で怪我を負わないためにも,バイクやバイクタクシーの利用はできるだけ避けることをお勧めします。
事例 5 【概要】徒歩での観光中,後方から接近してきたバイクの男に,たすき掛けにしていたバッグの紐をナイフで切られ,バッグを強奪された。その際,腕もナイフで切りつけられ,怪我を負った。
【対策】たすき掛けにしたり,背中にしっかりとカバンなどを背負ったりしている場合,肩紐をナイフなどで切断して強奪するひったくりも発生しています。犯人の手元が狂い,腕などを切りつけられることもあります。
 屋外では周囲に十分警戒し,後方からバイクの音が聞こえたら,振り返るなどして警戒していることを見せ,狙われないように行動してください。また,ひったくり犯がナイフや銃火器を所持していることを確認した場合には,絶対に抵抗しないようにしてください。過去には,ひったくり犯ともみ合いとなり,拳銃で撃たれ重傷を負う事案も発生しています。
事例 6 【概要】旅行に行くためにトゥクトゥクで空港に向かう途中,渋滞のためにトゥクトゥクが停止した時を見計らって,バイクに乗ったひったくり犯が手提げカバンやキャリーケースをひったくって逃走した。パスポートも奪われたため,旅行を断念せざるを得なくなった。
【対策】両脇の空いているトゥクトゥクは,ひったくり犯の格好のターゲットです。特に渋滞中は,機動性に勝るバイクに乗ったひったくり犯は容易に荷物を奪うことができます。パスポートや現金などの貴重品だけでなく,荷物を持って移動するときは,トゥクトゥクはできるだけ利用しないようにしましょう。
 トゥクトゥクに乗らざるを得ないときには,周りに十分注意を払い,荷物は両手で抱える,または背中と背もたれの間に挟み,外側から強奪されないよう心掛けてください。また,トゥクトゥク乗車中のスマートフォンの操作も避けるようにしてください。
 なお,出張者や観光客がカンボジアに到着後,空港から市内へトゥクトゥクで移動する際に,犯人につけられて,途中でひったくりに遭うケースも多くありますので,ご注意下さい。
事例 7 【概要】プノンペンの王宮の観光後,流しのトゥクトゥクを捕まえて乗車すると,ドライバーが誰かに電話で連絡した後に,低速で走行しだした。その直後,バイクに乗ったひったくり犯がカバンとスマートフォンをひったくって逃走した。ドライバーに追いかけるよう指示したが,一切加速することなく,低速のまま運転を続けた。
【【対策】観光客の多い地域の流しのトゥクトゥクのドライバーがひったくり犯と共謀している可能性もあります。登録が必要なスマートフォンの配車アプリを利用するなどの対策も有効です(但し,信頼性について保証されているものではありませんので,注意は怠らないようにしてください。)。
 流しのトゥクトゥクドライバーの場合,料金で揉める(事前に合意した料金と異なる料金を請求するなど)ことがありますが,配車アプリは料金計算も自動でなされるため,料金交渉トラブルを避けられるという利点もあります(別のアプリを利用したり,メーターを不正操作して正規の料金より高い料金を請求したりすることもあるようですので,必ずしも万全ではありませんので油断はしないようにして下さい)。
 
  ひったくり被害を防ぐための3か条  
 
1. 徒歩やトゥクトゥクで移動するときには,できるだけ荷物を持たない!
バッグを持って徒歩やトゥクトゥクで移動せざるを得ないときには,貴重品(パスポート,スマートフォン,現金など)を一つのバッグに入れず,小分けにして持つ。
2. 携帯電話や財布は,屋外で外に出さない!
携帯電話を操作せざるを得ないときには,道路から離れ,他人から見えない位置で操作する。多額の現金が入った財布を他人に見られることが無いようにする。
3. 周囲に常に警戒を!
車の利用時であっても,乗降時に狙われることも。いつ狙っているかはわからないので,移動手段にかかわらず,周囲には常に警戒をはらう。
 
 ひったくりの詳しい発生状況はこちら >>> 犯罪統計(ひったくり)



II 強盗

事例 1 【概要】プノンペン到着後,ホテルにチェックインする前に,リバーサイドの堤防に座り,メコン河を鑑賞していた。突然背後から強く押され,堤防の下に転がり落ちた。堤防の上に這い上がってみると,スーツケースを含め,所持品はすでに持ち去られていた。堤防に落とされた際に足を強く打ち,翌日から歩行困難になったが,現金は奪われ,海外旅行保険に入っていなかったため,病院で治療を受けることができなかった。
【対策】荷物を持ったままの移動は危険です。できるだけ持って歩く荷物を減らしてください。また,スーツケースを持って移動していると,観光客であることが一目瞭然であるため,狙われるリスクが増大します。
 雄大な自然を鑑賞することは旅行の醍醐味ですが,楽しい旅行を続けられるように周囲への警戒を含め,安全対策は怠らないようにしてください。
事例 2 【概要】リバーサイド周辺を1人で観光中,ズボンの後ろポケットに入れていた携帯電話を抜き取られたため,取り返そうと追いかけているうちに裏路地に入ったところで,刃渡り20センチほどのナイフを持った男数人が現れ,頭や左腕を切りつけられた上,殴る蹴るの暴行を受け,現金などを強奪された。
【対策】盗られた物を取り返そうと犯人を追いかけるのは大変危険です。犯人が所持していた銃やナイフで攻撃し,盗られたもの以上の物を失う可能性がありますし,怪我を負う場合があります。被害を受けた場合には,それ以上被害が広がらないようにすることが重要です。
 また,路地裏(特に夜間)は人目が無く,助けを求めることが困難になりますので,絶対に入らないようにしてください。
事例 3 【概要】夜22時ごろ,プノンペンのリバーサイドを一人で歩いていたところ,複数の男から暴行を受け,現金(約50万円),一眼レフカメラ,パスポート,クレジットカードなど所持品をすべて奪われた。
【対策】リバーサイドなどの観光客が多く集まる場所は,犯罪者が被害者を狙うには格好の場所です。一眼レフを見えるように首にかけていたり,金目の物を見えるように所持したりすると,狙われる確率が上がりますので,避けるようにしましょう。
事例 4 【概要】午前1時頃,カジノ施設からホテルに向かってバイクタクシーで裏通りを走行中,後方から接近してきたバイクの男に蹴り倒された上,拳銃を突きつけられてバッグを強奪された。
【対策】カジノ周辺では,これまでも拳銃を使用した強盗事件が複数発生しています。カジノや繁華街の周辺では,常に周りに注意を払うようにしてください。特に夜間は警戒レベルを上げるようにしてください。
 また,バイクタクシーは,荷物がむき出しのため襲われやすく,また倒れやすいため,襲われれば転倒して重大事故に至る可能性がありますので,乗らないようにしてください。
事例 5 【概要】閉店後,売上金を入れたバッグを持ってタクシーにて自宅へ帰宅中,バッグの現金をタクシーのドライバーに見られ,拳銃を突き付けられて現金を強奪された。
【対策】多額の現金を所持しないようにしてください。多額の現金を所持せざるを得ないときは,タクシードライバーを含めて他人に現金を所持していることを絶対に知られないように心掛けてください。
事例 6 【概要】レストランやバーで知り合った人と一緒に飲酒していると,いつの間にか意識が無くなり,気が付くと財布などが無くなっていた。
【対策】プノンペン都内のリバーサイド周辺やシェムリアップ州のパブストリート周辺では,しばしばこのような昏睡強盗事件が発生しています。昏睡強盗は,金銭の抜き取りだけでなく,婦女暴行に至ることもあります。海外において,知らない人をすぐに信用して警戒を緩めることは大変危険です。



III 窃盗(スリ,置き引きなど)

事例 1 【概要】シェムリアップ州のアンコール遺跡群周辺を観光中,観光客の集団とすれ違った後,気がついたらバッグの中から財布がなくなっていた。
【対策】トートバッグなどバッグは,中身が見えるため,スリにとって格好のターゲットなります。チャック付きのバッグを持つこと,また多額の現金は持ち歩かないことや現金は小分けにして所持することが重要です。
事例 2 【概要】徒歩で散策していたところ,物乞いの子供の集団にまとわりつかれ,気が付くと,ショルダーバッグのチャックが開いており,中から財布がなくなっていた。
【対策】子供であっても,集団の場合には,成人男性であっても抵抗が難しいことがあります。囲まれてしまったら,逃れることは難しくなりますので,物乞いの子供集団を見かけた場合には,その場を速やかに離れるようにしてください。
事例 3 【概要】ショッピングモールや市場で買い物をしていたところ,気が付くと背負っていたリュックサックのチャックが開いており,中から財布がなくなっていた。
【対策】市場やショッピングモールではスリが発生しています。人混みの中では,バッグを体の前で持つなど,チャックの位置を意識した持ち方をするようにしましょう。また,パスポートはコピーを持ち歩き,貴重品は持っていかない,多額の現金は持たない,現金は小分けにして持つなどの対策が重要です。
事例 4 【概要】レストランで食事中,バッグを隣の椅子の上に置いていたが,気が付くとバッグがなくなっていた。
【対策】レストランなどで,テーブルの下に置かれたカバンや,背もたれにかけられたバッグは格好のターゲットとなります。カバンなどの状態を意識し,体から離さないようにしてください。また,席を離れる時は,テーブルや椅子の上に置いたままにしないようにしましょう。
事例 5 【概要】レストランのオープンテラスでテーブルの上に携帯電話を出したまま食事していた時,犯人がその携帯電話を奪って,逃走した。
【対策】公共の場で,外から見える位置に携帯電話などの貴重品を置いたりすると,持ち去られる危険があります。特に,テーブルの上に置きっぱなしにされた携帯電話は容易に持ち去られてしまいます。貴重品は常に身につけておく,携帯電話は操作するとき以外はポケットに入れておくなどの対策が有効です。ちょっとした油断が被害をもたらしますので,十分注意してください。
事例 6 【概要】バックパック旅行の途中でプノンペンに滞在中,公園でテントを張って泊まっていた時に,財布,携帯,パスポートなど身の回りの品を盗まれた。一人旅行であったため,お金を借りるあてもなく,パスポートの再発行も帰国することもできない状況となった。
【対策】野宿中の窃盗被害も多く発生していますので,絶対に野宿はしないようにして下さい。また,ゲストハウス宿泊中の窃盗被害も発生しています。特にドミトリータイプの宿に宿泊する場合には,パスポートや貴重品(財布やスマートフォンなど)肌身離さず持って寝るなど,盗られないように十分な対策を取ってください。



IV トランプカードを使った「いかさま賭博」詐欺

「いかさま賭博」詐欺とは???
 
 主に単独で観光をしている旅行者を狙って,日本語で言葉巧みにアジトに誘い入れ,いかさま賭博を持ちかけて,最終的に多額のお金をだまし取る犯罪です。「いかさま賭博」は,パターン化されたものが多く,その流れを知っていれば,確実に防ぐことができる被害です。
 カンボジアにおいては,ショッピングモールやプノンペンのリバーサイドなど,人が多く集まる場所で声を掛け,トランプを用いた賭博に誘うというのが主な詐欺の手口です。
 被害に遭った場合,携帯電話,クレジットカード,現金を失い,多額の損失を被り,その後の旅行を中止せざるを得ない状況にもなっています。以下の犯行の手口を参考にし,声を掛けられてもその誘いには絶対に乗らないようにしてください。

東南アジア系男女(カンボジア人以外を名乗るケースが多い)が,親しげに声をかけてくる。  
◆ 声をかけてくることが多い場所:リバーサイド,王宮,ワットプノン,市場,大型ショッピングモールなど観光客が多く訪れる場所
◆ 声をかけてくるパターン
 ・「旅行ですか?どこから来ましか?」
 ・「日本人ですか?」
 ・「家族が日本に行きます」
 ・「日本について教えてください」 など
自宅(実際は犯人グループのアジト)で一緒に食事をしようなどと誘う。  
◆ 自宅に誘う口実 
 ・「家族に日本語を教えてほしい」
 ・「日本の話を聞きたい」  など/div>
 
アジトの場所を把握されないように,裏通り等を複雑に移動し,アジトに向かう。  
◆ アジトは,アパートや2~3階建て家屋の一室であることが多く,いずれも生活感はあまりない。
アジトにおいて,食事や簡単な談笑後,カードゲームに誘われる。「簡単に勝てる方法を教える」と言い,いかさまの方法を伝える。  
◆ この時点では,断ろうとしても犯人グループが承服せず,強引にカードゲームに参加させらる。
 
いかさま賭博の負け役(カンボジア人以外を名乗ることが多い)が現れ,カードゲームが始まる。最初はいかさまで勝ち続けるが,負け役が最終ゲームと言って多額の現金を出し「現金を見せないと信じられない」などと言い,現金の準備を要求する。  
◆ アジトにおいていかさま賭博だと気が付き,ゲームをやめようとしても,マフィア風の男などが現れ,所持していた貴重品(パソコン,カメラ,携帯電話など)を無理やり取り上げられたケースも発生。
 
最初に声をかけてきた犯人は「必ず勝てるから現金を準備しよう」と言い,所持金,携帯電話等を全て担保として出させ,さらに●●円足りないから,ATMでキャッシングするように言う。    
   
バイクやトゥクトゥクでATMを回り,キャッシングさせる。    
(十分な金額のキャッシングができなかった場合)
  (十分な金額のキャッシングができた場合)
                
宝石を買ってそれを売却すれば現金を作れると言い,一緒に宝石店に向かい,クレジットカードで高額な宝石を買わせる。   カードのプレイヤーが揃ったらゲームを再開すると言い,ホテルやカフェなどで待つように指示するが,その後現れることはない。
 
 
その後,換金するとしてホテルやカフェなどで待つように指示するが,その後現れることはない。    
 
  !!! 「いかさま賭博」の被害者にならないために !!!  

海外にいることを忘れずに,初対面の相手には警戒心をゆるめず,家などについて行かないようにしてください。
✍ 旅行中に知り合ってすぐの人の誘いには乗らない。
✍ 「いかさま賭博」であることに気が付いたら,犯人を刺激しないよう注意しながら,脱出の機会を窺う。
✍ もし賭博をしたアジトの場所を覚えていたとしても,絶対に戻らない。アジトに戻れば,犯人から襲われる可能性が高いです。



V 空き巣(アパートメント,ホテルなど)

事例 1 【概要】アパートメントに住んでいたが,外出から戻ってきたら空き巣に入られていた。防犯カメラを確認したところ,犯人は誰でも立ち入れる階段からアパート内に侵入した上,防犯カメラの死角となっている窓から部屋に侵入していた。
【対策】物件を賃貸する際には,以下の注意事項に気をつけてください。
  • 警備員や防犯カメラなどの警備設備の整っている物件を選定する。
  • 玄関ドアは枠も含めて頑丈であるか確認し,扉を開けなくても来訪者を確認できるようにドアスコープ及びチェーンロックを設置する。
  • 窓は格好の侵入口であることから,窓枠も含めて頑丈であるか確認し,屋根,屋上,隣家などからの侵入が可能である場合には鉄格子などを設置する。
  • 外出時や就寝時には,玄関ドア,各窓を必ず施錠する。
  • 室内に貴重品を放置せず,必ず金庫などに入れて保管する。
事例 2 【概要】連休を利用した旅行から帰ってきたら,アパートメント内の複数の部屋が空き巣に入られていた。
【対策】クリスマス休暇や新年など,多くの外国人が帰国のためにカンボジアを離れる時期は,空き巣の発生が増加する可能性があります。確実に戸締りをするとともに,長期間カンボジアを離れることをなるべく知られないようにして下さい。
事例 3 【概要】サービスアパートメントの自宅のデスクの上に置いていたパソコンが無くなっていた。
【対策】サービスアパートメントは,掃除やメンテナンスのためにアパートメントのスタッフがしばしば入室します。その中には,窃盗に及ぶスタッフがいる可能性もありますので,貴重品はすぐに目に付く場所には放置しないことが重要です。
事例 4 【概要】宿泊しているホテルの部屋の中のテーブルの上に,パスポートや現金を入れていたポーチを置いて外出したが,戻ってきたらポーチがなくなっていた。
【対策】ホテルの中であっても,すぐに目に付く場所に貴重品または貴重品を入れたバッグなどを置いておかないようにしましょう。
事例 5 【概要】ホテルの金庫にしまっておいた現金とクレジットカードが盗まれた。
【対策】残念ながら,海外においては,ホテルの客室内の金庫にしまっておけば安心というわけにはいかない場合があります。すべての貴重品を金庫にしまっていれば,金庫が荒らされた場合に全てを失うこととなりかねませんので,分散して保管または所持するなどの対策をとることをお勧めします。