「麻しん」(はしか)・「風しん」に関する注意喚起

令和元年12月2日
 11月27日,世界保健機関(WHO)は,世界各地で「麻しん」が流行しており,2019年1月1日から11月5日までの間に,187の加盟国から440,263例の感染例が報告されたことを発表(WHO: Measles – Global situation)しました。
 
【東南アジア地域における状況】
 1月1日から11月18日までにバングラデシュでは「麻しん」の確定例4,181例が報告されており,現在の症例はコックスバザールのロヒンギャ難民キャンプに集中しています。
 ミャンマーでは5,286例,タイでは4,852例が報告されています。

 東南アジア以外の地域を含めた,より詳細な情報は,こちらをご覧ください。

 

「麻しん」・「風しん」の予防について

 「麻しん」・「風しん」の発生が少ない国・地域では,「麻しん」もしくは「風しん」を発症すると,感染の拡大防止のため,発症した本人はもとより,同行者も移動を厳しく制限されることがあります。そのようなことを避けるためには,予防接種を受けて「麻しん」・「風しん」に対する免疫をつけておくことが重要です。
 このため,「麻しん」もしくは「風しん」にかかった(検査で診断された)ことが明らかでない方が海外渡航される時には,あらかじめ母子手帳などで「麻しん」・「風しん」の予防接種歴を確認し,予防接種を2回接種していない方,または接種歴が不明な方は「麻しん」「風しん」混合ワクチンによる予防接種を検討してください。

 
 

「麻しん」・「風しん」について

「麻しん」とは

 「麻しん」は,感染力が非常に強く,空気感染や飛沫感染によって簡単に人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。潜伏期間は10~12日で,免疫が不十分な人が感染すると高い確率で発症します。主な症状は発熱,咳,鼻汁,結膜充血,発しんなどですが,まれに肺炎や脳炎になることがあり,先進国であっても,患者1,000人に1人が死亡するといわれています。
 2018年には,全世界で32万6千人の患者が報告されました。
 
【参考】 厚生労働省ホームページ:「麻しん」について

 

「風しん」とは

 「風しん」は,感染力が強く,飛沫感染によって人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。潜伏期間は14から21日で,主な症状は発熱,発しん,リンパ節腫脹などですが,まれに脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど,入院加療が必要になることもあります。また,感染しても症状がでない不顕性感染が15~30%程度存在します。
 妊娠20週頃までの妊婦が「風しん」ウイルスに感染すると,出生児が先天性「風しん」症候群(CRS)を発症し,難聴・白内障・先天性心疾患などの病気をもって生まれてくる可能性があります。
 近年,大規模流行の頻度は少なくなったものの,海外で感染して帰国後発症する「輸入例」の割合が増えています。
 2018年には,アフリカ及びアジアを中心に,全世界で約1万3千人の患者が報告されました。
 
【参考】 厚生労働省ホームページ:「風しん」について