緊急事態対処マニュアル
令和2年6月19日
1. 平素の準備と心構え
1.1. 連絡体制の整備
大使館から在留邦人の方々への連絡事項については,在留届に記載された電話番号やメールアドレス宛に連絡を行っていますので,在留届や「たびレジ」の登録をお願いします。緊急事態に際しては,さらに大使館から当地に所在する邦人団体(日本人会,日本人商工会(JBAC),プノンペン日本人学校及び補習校,JICA事務所,JNNC (NGO団体))にご協力を仰ぎ,これら邦人団体の連絡網などを通じて,連絡事項の伝達を行う場合もあります。日頃より,各家庭,各企業において連絡方法を決めておいて下さい。また,緊急連絡は,「誰から連絡がきて,誰に伝えればよいのか」など,平素から確認しておいてください。1.2. 大使館からの連絡や指示
緊急事態発生の際には,外務省/大使館ホームページや領事メール,個別での電話連絡,各邦人団体を通じた電話連絡,旅行代理店やホテルへの連絡など,可能な限りの手段を用いて,正確な情報の提供や必要な指示等を行います。1.3. 企業・団体における連絡担当責任者
緊急事態発生時に必要となる安否確認等の際に,連絡網の途中寸断による連絡網機能の麻痺を招かないよう,連絡網をグループ化してそれぞれのグループに連絡担当責任者を指定するなど,常日頃から緊密に連絡できる態勢を作っておいてください。2. 一時避難及び救急避難
2.1. 一時避難場所の検討
緊急事態発生時は不用意に屋外へ出ると戦闘や騒乱等に巻き込まれるおそれがあります。常に周囲の状況に注意を払い,無警戒に外出したり危険な場所に近づいたりしないよう心掛けてください。強固な構造の家屋内にとどまることを原則として,居宅や勤務先等の場所を想定し,それぞれの場所の中で各自の一時避難場所(部屋)を検討しておいてください。2.2. 緊急避難場所
大使館から在留邦人の皆様に対して,緊急事態の状況に応じて「緊急避難場所への集結」を案内することがあります。緊急避難場所は原則として大使館になっていますので,日頃より大使館への経路を確認しておいてください。但し,大使館への退避がむしろ危険となる場合には,他の場所を指定する場合もあります。なお,緊急避難場所への集結等に当たっては,次項の「携行品及び非常用物資の準備」を参考にして,貴重品のほかに,少なくとも2~3日分の食糧,着替え等をご持参いただくようお願いいたします。
2.3. 緊急避難時の携行品及び非常用物資の準備
◆ パスポート,貴重品パスポート,現金,貴金属等の貴重品は,直ちに持ち出せるように予めまとめて保管しておくことをお勧めします。
◆ 非常用物資
緊急時には,一定期間自宅等での待機となることもあります。非常用食糧,飲料水,医薬品,燃料等を最低10日分は準備しておくことをお勧めします。
◆ チェックリストの作成
非常用物資の品目等については,「5 緊急事態に備えてのチェックリスト」を参考にしてください。
3. 緊急時の行動
3.1. 基本的心構え
銃声や爆発音等が聞こえるような事態に直面した際に最も重要なことは,自宅,事務所等の奥にとどまって事態の沈静化を待ち,安全の確保を行うことです。現状を十分に把握しないまま不用意に外出することはかえって危険です。また,外出時に銃声や爆発音等が聞こえる場面に遭遇した場合,直ぐに地面に伏せ,身の安全を確保し,直ちに現場から退避することが大切です。3.2.情報の把握
◆ 大使館からの情報伝達緊急事態が発生し,または発生する可能性が高まった場合には,大使館では,正確な情報を収集・分析するとともに,事態の推移を判断した上で,必要な対策を策定して,在留邦人や旅行者の皆様に,領事メール,個別電話連絡,各邦人団体の電話連絡網,当館ホームページ,外務省海外安全ホームページ,旅行代理店やホテル等を通じて,随時通報いたします。
くれぐれも不正確な情報に惑わされたり,群集心理に巻き込まれたり,行き当たりばったりの行動をとることは避けてください。
大使館ホームページ: https://www.kh.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
外務省海外安全ホームページ: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◆ その他の情報入手
緊急事態発生の際には,テレビやラジオ,インターネットを通じて,各自が情報収集に努めるよう心がけてください。
3.3. 大使館への通報
(1) 大使館等への通報現場の状況のうち,個人の判断で通報する必要があると認めた事態は,積極的に大使館に直接またはご自身が関係する機関等を通じて通報してください。他の在留邦人の方々への貴重な情報となります。
(2) 大使館への即報
自分を含む家族や,その他の在留邦人の生命・身体・財産に危害が及んでいる,または及ぶ可能性がある事態を察知した場合は,迅速かつ具体的にその状況を大使館または外務省へご連絡ください。
3.4. 国外への退避
(1) 国外退避時の報告大使館としては,邦人保護のため残留している在留邦人の正確な人数や所在の把握が必要となります。したがって,情勢が悪化し,大使館からの情報などを踏まえて各自または所属企業などの判断により自発的に帰国または第三国へ退避する場合は,必ずその旨を大使館へ通報してください。大使館への通報が困難な場合は,出国後日本の外務省領事局海外邦人安全課(外務省代表:03-3580-3311)または出国先の日本国大使館,総領事館,領事事務所へ通報するようお願いいたします。
(2) 海外危険情報「退避勧告」時の措置
外務省より海外危険情報のレベル4「退避してください。渡航はやめてください(退避勧告)」が発出された場合には,一般の商用便が運行しているうちに速やかに国外へ退避してください(陸路,海路による退避を含む)。
(3) 緊急避難場所への集結
事態が切迫して,大使館から退避または避難のための集結の案内があった場合は,速やかに大使館から指定した「緊急避難場所」に集結してください。このような事態の場合,暫くの間,退避場所での待機を余儀なくされることも想定されます。緊急避難場所への集結の際は,前記の「携行品及び非常用物資」を持参して下さい。
緊急時には本人及び家族の生命身体の安全が最優先です。緊急避難場所から国外等へ迅速に退避・避難する必要がありますので,携行荷物は,1人1個(10kg以下)で背中に背負える物のみとし,最小限にしていただくことになります。
4. 緊急事態時の連絡先
【在カンボジア日本国大使館】 | 023-217-161 023-217-162 023-217-163 023-217-164 |
【在シェムリアップ日本国総領事館】 | 063-963-801 063-963-802 063-963-803 |
【外務省領事局海外邦人安全課】 | +81-3-3580-3311(外務省代表) |
5. 緊急事態(緊急避難)に備えてのチェックリスト
パスポート | 有効期限 常時6ヶ月以上の残存有効期間があることを確認 |
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ビザ頁の残りページ数 残り少ない場合は,増補申請し,充分な枚数のビザページを残しておく |
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最終ページの「所持人記載欄」 もれなく記載する。輸血が必要となった場合を想定し,血液型も記入する |
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現金・貴金属・有価証券 | 現金 家族全員が10日間程度生活できる金額の用意をお勧めします |
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貴金属,有価証券,クレジットカード すぐ持ち出せるよう保管する(クレジットカードを含む) |
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自動車 | 車両整備 エンジンオイルやフィルターなど常時整備しておく。工具,ジャッキ,予備タイヤ,牽引用ロープ等も併せて確認する。 |
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燃料補給 燃料は常に十分入れておく |
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車内備品 懐中電灯,地図,タオル,ティッシュ等を常備する |
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同乗の確認 自動車を持っていない方は,必要な場合には同乗できるよう近くに住む自動車を持っている方と相談しておく |
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携行品 | 衣類・着替え 長袖・長ズボンが賢明。行動に便利で,殊更人目を引くような華美でないもの。麻,綿等吸湿性,耐暑性に富む素材が望ましい |
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履物 行動に便利で靴底の厚い頑丈なもの |
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非常用食糧等 自宅待機も想定して,米,調味料,缶詰類,インスタント食品,粉ミルク等の保存食及びミネラルウォーターを備蓄する(家族全員が10日間程度生活できる量)。一時避難の際には,この中からインスタント食品,缶詰類,粉ミルク,ミネラルウォーターを携行する。 |
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ラジオ NHK海外放送(ラジオ・ジャパン),BBC,VOA等の短波放送が受信できる電池使用のもの(電池の予備も準備する)。 |
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その他携行品 | 医薬品 | 家庭用常備薬 | |
常用薬 | |||
外傷薬 | |||
衛生綿 | |||
包帯 | |||
絆創膏 | |||
その他: | |||
洗面用具 | タオル | ||
歯磨きセット | |||
石鹸 | |||
トイレットペーパー | |||
その他: | |||
その他 | 懐中電灯(各自1本) | ||
予備の強力バッテリー | |||
ライター,マッチ | |||
ロウソク | |||
ナイフ | |||
軍手 | |||
ゴム手袋 | |||
雨具 | |||
ビニール袋 | |||
缶切り,栓抜き | |||
紙製の食器,割り箸 | |||
固形燃料 | |||
簡単な炊事用具 | |||
ヘルメット,防災頭巾等 |