Embassy of Japan in Cambodia
在カンボジア日本国大使館
トップ
> クメール・ルージュ裁判
クメール・ルージュ裁判に対する我が国の支援
平成25年3月
在カンボジア日本国大使館
クメール・ルージュ(KR)裁判とは
KR政権(いわゆるポル・ポト政権)は、1970年代後半に100万とも200万ともいわれる自国民大虐殺を行ったとされ、KRの大虐殺は20世紀最悪の人道に対する罪の一つとされています。 KR裁判とは、KR政権幹部や最も重大な責任を持つ者をカンボジア刑法、ジェノサイド条約上の犯罪や人道に対する罪などに関して裁くための裁判で、カンボジア国内の特別法廷で国連の協力を得て実施されています。
KR裁判の進展
特別法廷は、2006年7月に活動を開始しました。同法廷初級審は、第一事案として2009年にドゥイッS21国家中央治安本部 (トゥオルスレン政治犯収容所)所長に対する公判を実施し、2010年7月26日に禁固35年の有罪判決を下しました。 2012年2月3日に最高審(第二審)は、同人を無期禁固刑とする判決を出しました。
2011年6月、初級審は、第二事案としてヌオン・チア元国民議会議長、キュー・サンパン同国家幹部会議長、 イエン・サリ同外交担当副首相(13日に死去)、イエン・ティリット元社会事業相(その後認知症と診断され、裁判を停止)の元KR 政権幹部に対する公判を開始しました。第二事案は、本件裁判の中で最も重要とされています。
これらの被疑者はいずれも高齢で、健康問題も抱えていることから、公平、効果的で迅速な裁判の実施が必要です。
無期禁固刑に処せられるドゥイッ
第二事案の開始
写真提供:カンボジア特別法廷/font>
日本の貢献
日本国政府は、次の3点からKR裁判を重視しています。 第一に、KR裁判は、1980年代末以来、我が国が積極的に協力したカンボジア和平プロセスの総仕上げで、 同国に平和を定着させるために極めて重要であること。第二に、本件裁判は、犠牲者への正義の達成に資すること。 第三に、クメール・ルージュ裁判は、カンボジアにおける法の支配の確立に資することです。
我が国は、国際社会で裁判の立ち上げ及び実施に向け主導的な貢献を行ってきました。 具体的には、この裁判に関する二度の国連総会決議(2002年12月及び2003年5月)を成立させました。 日本は人的貢献を重視し、現在次の4名が特別法廷の司法部門及び行政部門で勤務してきています。 野口元郎最高審判事(2012年7月退任)、藤原広人捜査判事部分析ユニット長、前田優子広報官及び藤井寛子情報管理補佐官。 また、財政的支援の面では、2013年1月現在、我が国は、これまでの国際社会の支援総額の44%に当たる約79.13百万ドルの支援を行い、諸外国中で最大の協力を行っています。 裁判立ち上げ後は、プノンペンでフランスとともに支援国会合の共同議長を務め特別法廷の進捗をフォローしています。
Copyright(C): Embassy of Japan in Cambodia